-報告ダイジェスト(2)第1部

第1部 再生可能エネルギーと野生生物の共存〜風力発電の可能性と課題 

「風力発電が野鳥に与える影響〜自然エネルギーと野鳥の共存を目指して〜」
浦達也氏(公益財団法人日本野鳥の会自然保護室 主任研究員) 抜粋

006ura-風力発電が増加するにつれて、いわゆる「環境紛争」も発生するようになりました。風車建設にともなう野鳥問題は2000年ごろから取りざたされ始め、以降これまで議論が続いてきました。いっぽう、騒音・低周波問題はこの5~6年で顕在化してきたといえます。 なぜ野鳥問題が生じるかと言えば、風力発電も野鳥も、ともに風のある場所を求めるためです。とはいえ風車を建てたら必ず野鳥が衝突するのかといえば、決してそうではありません。むしろ悪影響を及ぼすのはごく一部の風車です。事前の予測が不十分で、建てる場所を間違ってしまった場合に問題を引き起こしてしまいます。 もしこのままバードストライクの問題を解決できなければ、「風車を建てる=鳥が死んでしまう」というマイナスイメージばかりが膨らんで、風力発電全部が嫌われてしまうことになりかねません。だからこそ、鳥と風車の問題はきっちり解決しなければならないと思います。

-日本野鳥の会は「渡りのルートや、多くの個体が出現する場所には風車を建てるべきではない」 という考えです。一例を挙げると、幌延町浜里の風力発電所計画に関して、風車によって渡り鳥がルート変更を余儀なくされている事例などを環境省に伝えるとともに、普通 種への影響を評価すべき、といった意見を伝えています。

-累積的影響を評価する指針を日本政府は持っていません。海外ではすでに10 年前から必要性が議論され、野鳥保護区やレッドリスト掲載種 の生息地、多くの鳥が利用する場所に新たに風車を建てる 場合は、必ず累積的影響評価をしなさい、と定めている国もあります。日本も急ぐべきだと思います。

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「洋上風力発電と海洋生態系への影響および漁業協調について」
中原裕幸氏(一般社団法人海洋産業研究会常務理事) 抜粋

004nakahara-日本国内で実際に発電事業が行なわれているのは3カ所。一番古いのは実は北海道でして、2004年ですからもう10年以上前ですが、日本海側の瀬棚町(現せたな町)の瀬棚港の非常に大きな防波堤の内側に1基600kwの風車2機が稼働しています。実はこの段階から漁業協調の考え方が出てきています。山形県酒田港では、海岸の埋め立て地と防波堤の間の狭い水路に風車が建っています。近くの砂浜にもずらっと(陸上)風車が並んで、一緒に風車群を形成しています。3カ所目が茨城県の鹿島港で、テトラポッド護岸のすぐ外側に風車が並んでいます。3・11の地震と津波にも耐えたことが地元の事業者の自慢です。近い将来、同じ鹿島港港湾区域に数十基規模のウィンドファームを建てる計画が着々と進んでいます。このほか国内の4カ所で実験的な洋上風力発電が行なわれています。

-環境影響がどれほどか、どのような協調が必要かという議論を進めるときに、どこにいくつの風車をどういうレイアウトで設置するのかという前提条件をまず示すことが出発点です。ですから、このフォーラムの冒頭に吉田先生が 「アセス配慮書の段階ではどこにどれだけ建つのか分からない」とおっしゃったのを聞いて、「えーっ、そんなことがあるのか」と思いました。洋上風力の場合、漁業者であれ地方自治体であれ海上交通の方々であれ、「ここにこういうものをこういうふうに建てるんだけど、どうしましょうか?」と最初に条件を示さないと話が始まりません。

-「事業者も漁業者もともにメリットを共有できる方式であること」「地域の活性化に貢献すること」、それから吉田先生もおっしゃった通り「透明性を確保した合意形成」、この3つが必要だということです。

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>ちょい読み!報告ダイジェスト INDEX
>報告(1)開催にあたって
>報告(2)第1部 再生可能エネルギーと野生生物の共存〜風力発電の可能性と課題
>報告(3)第2部 自然環境保全のもとでの再エネ推進は可能なのか
>報告(4)ディスカッション【1】自然環境保全と再エネの共生をさぐる
>報告(5)第3部 北海道の風力発電と自然環境保全、開かれた議論のために
>報告(6)ディスカッション【2】北海道スタイルの開かれた議論の場を目指して

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投稿者: 北海道エネルギーチェンジ100ネットワーク

2011年6月、地産地消エネルギーの最大限の活用、自然エネルギーアイランドへのシフトをめざし、きたネット有志が呼びかけ人となり、「北海道エネルギーチェンジ100プロジェクト」がスタート。「北海道条例第百八号 北海道省エネルギー・新エネルギー促進条例」の周知・推進、「北海道の電気 再生可能エネルギー100%へのロードマップ」による提言、市民主体のセミナーなどを行ってきました。 2014年3月に、3年間の活動が評価され、北海道新聞エコ大賞奨励賞を獲得しました。 2014年5月17日に正式に団体「北海道エネルギーチェンジ100ネットワーク」を設立、「自然エネルギー100%の北海道」に向かって、見えるネットワーク、行動するネットワークづくりをめざします。さらに私たちの活動がひとつのモデルとなって、全国で同じ目的で活動する方とつながってより大きな力となっていくことを願っています。